2015年 01月 22日
『ゴーストライター』第2話 あたしは弱い女なの (才能応援プロジェクト ウェブライター部門) |
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ドラマ『ゴーストライター』のウェブページトップの写真は机の上に置かれた中谷美紀演じる遠野リサの手の上に水川あさみ演じる川原由樹が背後から手を添えるというものだ。
映画『ゴースト』の、ろくろシーンを彷彿とさせる。
主演の中谷美紀と水川あさみはドラマ『R17』以来の13年ぶりの共演だ。
当時わたしはテレビをVHSビデオに録画した『R17』を何度も繰りかえし見た。
中谷美紀は女子校にやってきたカウンセラー役。水川あさみは好きになった男にコントロールされておかしくなっていく女子高生役を演じていた。
その他には、松重豊の股間をさわらされる栗山千明。レズに好かれる宮崎あおい。ドラッグにはまっていく三船美佳など、全体的にどんよりして淫靡で背徳感たっぷりのドラマだった。
第一話ではかろうじてゴーストライター起用の誘惑にたえ、追悼文の原稿を間に合わせたたリサだった。しかし、今回ついに連載小説の原稿を落としてしまう。認知症を患う母と、テストで不正をした息子の対応に迫られ執筆時間がなくなってしまったのだ。
「うちの連載ほんとうに大丈夫なのか」駿峰社の文芸誌編集長でありセフレでもある神埼雄司(田中哲司)の問いにリサは正直にこたえる。「本当は全然書けない。穴をあけて申し訳ないけれど今のわたしじゃ絞り出そうとしてもなにもでてこない」
自分のとこの連載を落とされたらたまらない雄司は由樹がつくったプロットをもとに書くことをリサにすすめる。それに対してリサはいう。
「バカなこといわないで。彼女はうまく育てればすぐにでも一人でやっていける子よ」
この台詞を聞くかぎり、リサは由樹をゴーストライターとして起用しようとは思っていない。それどころか、リサの才能を認めておりデビューさせてやるべきだとさえ思っているようにも受けとれる。
だいたい、「人にハンドルを握られるのは嫌なの、車も人生も」と言っているリサだ。ゴーストライター起用してしまったら自分が助手席に座ったことになる。
自分の出世しか頭にないセフレの雄司は折れない。新人がデビューしたところですぐ消えていく、由樹は時間をかけて育てればいい、由樹だって自分のプロッドが役にたてば喜ぶ、などとリサを煽った。
あげく、「やるかやらないか。ハンドルを切るのは、遠野リサだ」ときた。
リサの大義名分がたった。リサは由樹の作ったプロットを使って小説を書き上げた。
「いつでも引き返せると思っていた。罪が大きくなる前に引き返すつもりだった。わたしは引き返せると思っていた」オープンニングとエンディングで繰り返されるリサの言葉だ。
「時間さえあれば書けたのに。今回は母と息子のせいでその時間がなくなっただけ」ドラマのなかでそうはいっていない。でも、家族の問題が原因とすることでリサの罪悪感は薄れたのではないだろうか。
結婚をなしにして自分の意志を貫き小説家(ゴーストライター?)への道を歩みだした由樹。
自分でハンドルを切りたいと願いながらも決断をセフレにゆだね、その責任を家族に転嫁してしまうリサ。この差はでかい。堕ちるリサに昇る由樹だ。
この先、セフレの雄司まで由樹に持っていかれでもしたら目も当てられない。けど、そうなったとこが見てみたい。
by shinyu_i
| 2015-01-22 13:56