2015年 01月 21日
「ドラマ『怪奇恋愛作戦』 やぼったい成海璃子を再び」(才能応援プロジェクト ウェブライター部門) |
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カフェのオーナになるという夢の実現のため会社をやめコツコツためたお金で店舗を契約したら不動産屋がとんずら。同じ日に同棲していたフィアンセが家財道具一式をもって若い女と姿を消した。お金も恋も仕事も同時に失った消崎夏美(麻生久美子)37歳。
生徒からデートの誘いを受け、おしゃれして待ち合わせの場所にでかけた姿を生徒たちから笑いものにされるというイタズラに2回もひっかかった定時制高校の音楽教師、揺木秋子(坂井真紀)38歳。
演技は下手くそ。ちょっとメジャーな仕事といえばローカル立ち飲み屋のCMに出てくる赤ら顔のおっさん役。恋人だと思っている男性に実はうざがられていることにも気づかないアルバイトで生計を立てている自称女優、華本冬(緒川たまき)38歳。
恋も仕事もうまくいかないアラフォー女性3人が恋愛がらみの怪奇現象に巻きこまれる。2話1テーマで展開していくドラマ『怪奇恋愛作戦』。
監督、脚本は「時効警察」以来8年ぶりにテレビドラマを手がけることになったケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、ケラさんと略します)だ。
撮影を終えての感想を麻生久美子はウェブページで次のように語っている。
“とても情報量の多いお芝居だったので、毎日頭がフル回転していました。ケラさんの演出も、私の想像の範囲なんか軽々と超えているので、面白くてやりがいのある撮影で本当に楽しかったです。”
本質からずれたところで交わされる会話。登場人物は基本的にみんな非常識。物語とは関係なく自己主張する小道具。小ネタをテンポよく盛りこんで物語の展開にリズムを持たせ視聴者を飽きさせないのがケラさんのやり方だ。
“でも、私は全く可愛くない感じでしか映っていないので、もう少しなんとかすればよかったと後悔しています。”麻生久美子の言葉はこう続いている。
ケラさんが8年前に脚本、演出を手がけた「帰ってきた時効警察」での麻生久美子も可愛くなかった。不眠症役の麻生久美子は寝不足のため服装はだらしなく、髪の毛は逆だってボサボサ。目はうつろ。ふらふら歩いていたところを自転車にはねとばされ、路上に置いてあったゴミ箱に尻からつっこみ、くの字に折れ曲がったまま階段を転げ落ちて鼻血を流していた。
ケラさんは撮影現場でボサボサ頭のメイクをした麻生久美子をみて、「タイプだ」といったという。
ケラさんが脚本、監督をつとめた2009年の映画『罪とか罰とか』では成海璃子にもあか抜けないグラビアアイドルを演じさせていた。
しょっぱなの登場シーンでは麻生久美子と同じように髪の毛ボサボサ、疲れきった表情にドロのついた顔だった。やっと入った雑誌の仕事では掲載された写真を上下さかさまに印刷されたまま販売されてしまう。こわばった表情でぎこちないネコ手ポーズをとる成海璃子のポスターの顔の上をゴキブリがはっていく。
そんな扱いをうけた成海璃子が『怪奇恋愛作戦』の第3話(1/23金曜日深夜放送)に登場する。映画から6年たち、より美しくなった成海璃子をケラさんはどれだけあか抜けない女性として表現してくれるのだろうか。
やぼったい女性にこそ色気を感じるわたしは麻生久美子と成海璃子のあか抜けない対決を楽しみにしている。
ちなみに映画『罪とか罰とか』には麻生久美子も出演しており、トラックの助手席に乗りラジオから流れてくる琵琶の音にあわせて首をふる不健康そうな女というクレイジーな役を演じていた。可愛くない。だから好き。
by shinyu_i
| 2015-01-21 15:47